相続コラム はなまる知恵袋
相続の手続きに必要な書類を遺産の種類別に解説|入手先や金額なども
更新日: 2024 . 06.7
相続コラム はなまる知恵袋
更新日: 2024 . 06.7
相続の手続きを進める際には、多くの書類が必要です。不動産や預金・保険金・自動車などといった相続財産の種類により必要な書類が異なります。ご自身が相続されたものの種類に合わせた書類の準備が必要です。
本記事では、遺産の種類ごとで相続の際に必要となる書類をお伝えし、それぞれの書類がどこで入手できるのか、入手にかかる金額などを解説します。相続手続きをスムーズに進められるよう、必要書類を準備する際にはぜひ参考にしてください。
相続手続サポートセンター長
大野 博満
[セブン合同事務所/相続手続サポートセンター広島]
相続の手続きを進めるうえで必要な書類は、遺産の種類によって異なります。本記事内で必要書類を説明する遺産の種類は、以下のとおりです。
相続する遺産ごとに提出すべき必要書類と、入手場所や費用・書類の目的について解説します。
遺産の種類によらず、相続の手続きをする際に共通して必要になる書類があります。入手場所ごとに分けて、書類の種類や費用・目的を一覧にしました。
表に記載されている10種類の書類は相続が開始した段階から用意を始めると、その後の相続手続きをスムーズに進められるでしょう。
【市町村の役場で入手する書類】
【法務局で入手する書類】
【家庭裁判所で入手する書類】
【相続人が用意する書類】※相続人ご自身が作成するか専門家に作成を依頼
相続人名義となっている預金を相続するためには、上記の共通書類に加えて以下の表に記載されている4つの書類が必要になります。
【金融機関の窓口または郵送で入手する書類】
【相続人が用意する書類】
預金の中でも、普通預金は基本的に解約となります。一方で定期預金の場合は、相続人名義に変更して満期まで保有し続けることも可能です。
預金口座の名義人が死亡した旨を金融機関に伝えると口座が凍結となり、相続の手続きが完了するまでは原則として入出金など一切の取引が停止となります。預金口座の相続の手続きは、早めに済ませておくことがおすすめです。
被相続人が加入していた生命保険や損害保険の保険金を請求するためには、共通書類のほか、以下に記載する書類の中から該当するものの用意が必要です。
【保険会社の窓口や担当者に相談して入手する書類】
【相続人が用意する書類】
保険証書や保険証券は、手元に保管されているかもしれません。しかし、これらの書類が見つからないといったことも考えられます。保険証券などを紛失してしまっている場合、保険会社や担当者に相談してください。
被相続人名義の自動車を相続する場合は、共通書類以外に、以下に記載の中から該当する書類を用意する必要があります。
【管轄の警察署で入手する書類】
【市町村の役場で入手する書類】
【相続人が用意する書類】
未成年の相続人がいる場合や共同相続をする場合など、状況によって必要書類が異なることがあります。また、自動車の相続手続きは、普通車か軽自動車かによって手続き先が違うことがあるため、事前に担当窓口への相談がおすすめです。
不動産の相続登記には、共通書類のほか、以下に記載する4種類の書類が必要となります。被相続人名義の不動産を相続する際に必要な書類は、一覧のとおりです。
【法務局で入手する書類】
【市町村の役場で入手する書類】
【相続人が用意する書類】
不動産を相続する際には、法務局に登録免許税を納める必要があります。登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%で計算されます(現在、土地1筆につき、固定資産税評価額が100万円以下の場合免税あり)。ただし、遺言書によって相続人以外の人が不動産を取得する場合は、税率が異なるため注意が必要です。
また、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続開始から3年以内に手続きを行わなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があるため、早めに申請の準備に取りかかりましょう。
相続登記が数世代に渡って放置され、ご先祖様の名義になっている不動産も少なくありません。このような場合、権利関係者が数十人に上ることもあり複雑化します。遺言書がない場合等は、相続人全員が遺産分割協議で相続割合などを決定しなければならないため、非常に手間がかかる可能性があります。早めの解決がベストです。
特に、権利関係者が多い不動産の相続手続きは非常に複雑になりがちです。解決がむずかしい場合は、司法書士や専門家へ相談しましょう。
〈リンク提案 はなまる知恵袋|不動産を相続する流れや税金を解説|不安や疑問は専門家に相談を〉
相続税の申告には、共通書類のほか、以下に記載する中で該当する書類が必要となります。相続税の申告に必要な書類は、一覧のとおりです。
【国税庁のホームページで入手する書類】
【市町村の役場で入手する書類】
【相続人が用意する書類】
相続税の計算では、預貯金などの財産から、借金や葬儀費用などを控除できます。そのため、金銭消費貸借書や葬儀費用の領収書なども用意し、税務署に提出します。
相続税の申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」です。期限までに遺産分割が完了しておらず、各相続人の納税額が確定していない場合は、申告期限後3年以内の分割見込書を申告期限までに提出します。この場合、一旦法定相続分に基づいて相続税を仮納付し、遺産分割が確定した後に修正申告または更正の請求をおこないます。
相続手続きに必要な戸籍謄本等は、これまで本籍地の市区町村にしか請求できませんでした。しかし、2024年3月からは最寄りの市区町村窓口で請求できるようになりました。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本は、相続の種類に限らず必要になる書類です。生前、被相続人が本籍地を転々としていた場合でも「戸籍謄本等広域交付制度」の開始により、遠方の本籍地まで出向く・郵送にて請求するなどの必要がなくなりました。
ただし、請求できる対象書類は戸籍謄本、改製原戸籍、除籍謄本に限られ、戸籍の附票は広域交付の対象外です。相続財産によって、戸籍謄本の要・不要が異なります。必要になる書類に当てはまっているか確認し、必要な時期に手配ができなかったなどトラブルにならないようにしましょう。
相続の手続きにはさまざまな書類が必要とされ、ご自身で準備するには大変な労力を要します。書類の不備で手続きが進まないというトラブルを避けるためにも、弁護士・司法書士や税理士・行政書士などの専門家に一括して依頼するのもひとつの方法です。
ただし、専門家といっても得意分野はさまざまです。司法書士であれば不動産の名義変更、税理士は相続税の申告、行政書士は遺産分割協議書の作成など、専門性が異なります。ご自身が依頼したい業務を取り扱っており、なおかつ相続に強い専門家に頼むのがおすすめです。
相続の手続きがスムーズに進みやすいうえ、豊富な経験から的確な対応をしてもらえる可能性が高くなります。
相続の手続きは用意しなければならない書類も多いうえ、複雑で専門的な知識を要することもあります。自身で相続手続きの対応ができない場合には、相続の専門家に相談がおすすめです。
はなまる相続は、相続を専門に扱っている広島の一般社団法人です。弁護士から税理士・司法書士・行政書士・宅地建物取引士・不動産鑑定士まで在籍しており、相続に関するお悩みをワンストップでサポートできる体制が整っています。
相続の書類の準備で行き詰った際や、相続の専門家にすべておまかせしたいとお考えの方は、ぜひはなまる相続にご相談ください。
相続アドバイザー
大野 博満
Hiromitsu Ono
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はなまる相続のメンバーと連携し、相続人確定や財産調査、しなければならない手続きの洗い出しから預貯金等の現金化など、相続のお手続きをサポートいたします。
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加藤 泰
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紛争事例処理の経験を活かして、遺言・民事信託などの生前対策から・相続紛争の対応まで相続のあらゆる場面でみなさまをサポートいたします。
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