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相続手続きの代行サービスとは?利用するメリットや選ぶポイントも


更新日: 2024 . 11.1

相続は人生における大きなイベントのひとつであり、同時に複雑な手続きを伴うものです。不動産、預金、証券など、相続財産の種類は多岐にわたり、法的な知識や手続きが求められるでしょう。この煩雑な相続手続きを専門家に依頼できるのが、相続手続きの代行サービスです。近年では、相続に関するトラブルが増加していることから、代行サービスへの関心が高まっています。

本記事では、相続手続きの代行サービスについて、その概要や利用するメリット、そしてサービスを選ぶ際のポイントを解説します。相続手続きに不安を覚えている方は、ぜひ参考にしてください。

担 当
大野 博満のプロフィール写真

「相続対策」「相続手続き」の専門家です


相続手続サポートセンター長

大野 博満

[セブン合同事務所/相続手続サポートセンター広島]

相続手続きには代行サービスがある

相続手続きの代行とは、相続手続きに必要な一連の調査や書類作成などを一括で代行してくれるサービスのことです。おもに弁護士や行政書士、司法書士などの専門家が提供しています。

代行サービスのニーズが高まっている理由として、相続手続き自体が法律や専門的な知識が求められる複雑な作業であり、相続人自身が対応できないというものがあります。相続に関する法律が改正されることも少なくありません。また、仕事や家庭の合間を縫いながら、すべての作業を一人で行うのは、相当な負担といえます。

相続をめぐって親族間でトラブルが発生することもあります。その場合、専門家に介入してもらうことにより、円滑で素早い手続きが可能となるでしょう。

相続手続きの代行サービスは司法書士事務所が中心

相続手続きの代行サービスは、司法書士事務所が中心となって行われています。司法書士は、不動産登記や会社設立など、権利に関する手続きを専門とする国家資格を持つ専門家です。相続手続きにおいては、遺産分割協議書の作成や不動産の名義変更など、様々な登記手続きが必要となります。司法書士はこれらの手続きに精通しており、円滑な相続手続きをサポートしてくれるのです。代行サービスを実施している銀行もありますが、司法書士事務所と比べて割高なケースが少なくありません。

代行サービスの費用相場は20〜50万円

代行サービスの費用は、相続財産の規模や手続きの複雑さ(工数)によって大きく異なりますが、一般的には20万円から50万円程度が相場といわれています。

ただし、これはあくまで目安であり、実際の費用は事務所によって異なるため、事前に複数の事務所に見積もりを依頼することが大切です。

相続手続きの代行サービスを利用する5つのメリット

相続手続きの代行サービスを利用するメリットについて、以下の5つにまとめました。

  • 自分で手続きをする手間が省ける
  • 相続人同士のトラブルを防げる
  • 節税につながる可能性がある
  • 税務調査リスクを回避できる
  • 自分の状況に応じたアドバイスが受けられる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自分で手続きをする手間が省ける

相続手続きは、煩雑な書類作成や役所への手続きなど、非常に手間がかかります。代行サービスを利用すれば、これらの手間を専門家に任せ、自分の時間を有効活用できるでしょう。また、手続きミスのような間違いも起こりにくく、やり直すなどの手間を省けます。

相続人同士のトラブルを防げる

遺産分割は、相続人同士の感情的な対立を引き起こすことがあります。代行サービスでは、専門家が中立的な立場で協議を進めるため、相続人間のトラブルを未然に防ぐことが可能です。たとえ、相続人同士が不仲な場合でも、間に専門家が入ることでスムーズに相続手続きが進められるでしょう。

節税につながる可能性がある

相続税の計算は複雑であり、専門的な知識が必要です。専門家は相続に関する法律や制度にも詳しいので、活用できる節税制度の情報も提供してもらえます。また、税理士と連携して適切な節税対策を提案してくれるため、相続税を軽減できる可能性があります。

税務調査リスクを回避できる

相続税申告は、税務調査の対象となる可能性があります。ミスが見つかると、追徴課税などを課せられることもあるため、慎重に行わなくてはいけません。しかし、自己流で相続税申告した結果、意図せずとも申告漏れが起きる可能性はゼロではないのです。一方、専門家が作成した申告書は、税務調査に対応できるよう厳密に作成されているため、税務調査のリスクを軽減できるでしょう。

自分の状況に応じたアドバイスが受けられる

近年は、インターネットで検索すれば専門的な情報も得られる時代です。ある程度までは、自ら調べて進められるでしょう。しかし、検索でわかるのは一般的な話だけで、自分の状況に合わせたアドバイスは受けられません。また、相続に関する法律は複雑であり、常に変更される可能性があります。その点、代行サービスは、自分の状況に合わせた最新で最適なアドバイスを受けられるため、安心して相続手続きを進められるでしょう。

費用とメリットが見合うかどうかを検討しよう

代行サービスを利用するメリットは、専門家によるサポートにより、正確かつ迅速な手続きが行えること、時間と労力の削減、トラブル防止、税金対策など多岐にわたります。しかし、一方で費用も発生します。依頼する前に、費用の相場や、自分の状況に合ったサービスかどうかを慎重に検討することが大切です。比較検討する場合のポイントは以下の3つです。

  • 費用相場
  • 費用内訳
  • 費用対効果

相続財産の規模や手続きの煩雑さなど、依頼内容によって依頼金額の負担は違ってきます。また、費用の内訳を確認することも重要です。実費や成功報酬などが含まれていると、見積もりと最終支払額が違う場合もあります。ただし、費用の高さだけに注目するのではなく、得られるメリットも考慮しましょう。専門家によるサポートで、トラブル防止や節税につながる可能性があるためです。支払う額と得られるメリットを比較したうえで、依頼すべきかを最終的に決めましょう。

相続手続きの代行サービスを選ぶ3つのポイント

相続手続きの代行サービスを選ぶ際に見るべきポイントについて、以下の3つにまとめました。

  • 対応できる業務範囲を確認する
  • 複数の事務所に見積もりを依頼する
  • 相続手続きの実績が豊富な事務所を選ぶ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

対応できる業務範囲を確認する

弁護士、司法書士、行政書士、税理士それぞれの専門家によって、対応できる業務の範囲が異なります。どの専門家がどのようなサービスを提供しているかは、事前に確認が必要です。

一般的に各専門家が対応できる業務について以下の表にまとめました。

対応できる業務範囲

ほとんどの業務に対応できるのは弁護士です。その次に対応範囲が広いのが司法書士となっています。

ただし、すべての弁護士や司法書士が相続の知識を有しているわけではありません。それぞれに得意・不得意があるため、相続手続き代行に強い専門家か、また経験は十分にあるかなどについても確認しておくと良いでしょう

複数の事務所に見積もりを依頼する

代行サービスを依頼する際には、複数の事務所に見積もりを依頼しましょう。特に、料金体系の透明性と妥当性は重要な判断基準です。基本料金、成功報酬、追加料金などの詳細が明確に説明されているかを確認しましょう。問い合わせても、詳細を説明したがらない事務所は、避けるのが無難といえます。

また、業界標準や他社の料金と比較することで、その妥当性を客観的に評価しましょう。一般的に、相続財産の規模や手続きの複雑さに応じて料金が変動することが多いため、自身のケースに当てはめて比較検討しなければ最終決定は難しいといえます。

チェックすべきポイントとしては、以下のようなものがあります。

  • 基本料金と成功報酬の内訳
  • 追加料金が発生するケースとその金額
  • 無料見積もりや料金シミュレーションの有無
  • 支払い方法や時期の柔軟性

以上の点を丁寧に確認し、納得できる料金を提示している事務所を選ぶことが、後々のトラブル防止につながります。

相続手続きの実績が豊富な事務所を選ぶ

司法書士や弁護士も、それぞれに得意分野があります。どの専門家も一通りの知識を持ち合わせていますが、その中から相続手続きの実績が豊富な事務所を選ぶと安心です。選ぶ基準として、顧客満足度と評判は重要な判断材料となります。実際の利用者の声を知ることで、サービスの質や信頼性を把握できるからです。

まずは、口コミサイトやSNSでの評判を確認しましょう。実際の利用者の体験談から、サービスの良い点や改善点を多角的に分析できます。ただし、極端な評価には注意が必要です。

次に、業界団体や第三者機関による評価やランキングを参考にしてください。これらは客観的な視点から事務所の信頼性を検証する上で有効です。公式サイトで公開されている顧客の声や成功事例も参考になります。ただし、都合の良い情報のみが掲載されている可能性もあるため、批判的に見る目も必要です。

以上のような情報を総合的に判断し、自分に合った事務所を選びましょう。評判の良い事務所であっても、自分のニーズに合うかどうかを慎重に見極めることが大切です。

一般的な相続手続きの流れ

一般的な相続手続きの流れについて紹介します。

  1.  遺言書の確認
  2.  相続人と相続財産の調査
  3.  相続放棄の検討
  4.  遺産分割協議
  5.  相続手続き
  6.  相続税の申告と納付

以上の一連の手続きを一人で遂行できそうにないと感じた方は、専門家の代行サービスを検討してみると良いでしょう。

1. 遺言書の確認

相続が発生した際には、まず遺言書の存在を確認しましょう。遺言書があれば、被相続人の意思が明確に示されており、原則として遺言書通りに遺産分割を行えば問題ありません。遺産分割協議も円滑に進められるでしょう。遺言書が見つからない場合は、法定相続分に基づいて遺産分割が行われます。

2. 相続人と相続財産の調査

遺産分割協議の前に、相続人の範囲と、相続財産の内容を調査します。民法に定められている相続人は、被相続人の配偶者、子、父母などが一般的です。また、相続財産には、不動産、預金、証券、債権、債務などが含まれます。相続人を特定し、相続財産を把握することが、相続手続きの第一歩となります。

3. 相続放棄の検討

相続財産に債務が多い場合など、相続を承継すると損害を受けることが見込まれる場合には、相続放棄を検討する必要があります。その場合、相続開始を知ってから3か月以内に、家庭裁判所に対して相続放棄の申し立てをしましょう。

4. 遺産分割協議

相続人全員で集まり、遺産の分け方を話し合うのが遺産分割協議です。遺産分割協議では、遺産の評価、分割割合、財産の分割方法などを決定します。遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割の審判を申し立てるなどの手続きが必要です。

5. 相続手続き

遺産分割協議がまとまると、相続登記、銀行口座の名義変更、不動産の売却など、具体的な相続手続きに移ります。これらの手続きは、専門的な知識が必要な場合が多いため、司法書士や行政書士などの専門家に依頼するのが一般的です。

6. 相続税の申告と納付

相続税は、相続が発生した際に、相続財産に対して課される税金です。相続税の申告は、相続開始から10か月以内に行う必要があります。相続税の計算は複雑であり、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

相続手続きの代行ならはなまる相続に相談を

相続手続きは、煩雑で時間のかかる作業です。専門知識がない状態で行うと、トラブルに発展する可能性もあります。難しいなと思った時点で、専門家に依頼すると良いでしょう。

はなまる相続では、各専門家がタッグを組んで、相続に関するあらゆる問題に対応いたします。各種専門家をたらいまわしにされることもないため、1か所ですべて解決します。相続でお悩みの方は、ぜひはなまる相続まで、お気軽にご相談ください。

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相続アドバイザー

大野 博満

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