相続コラム はなまる知恵袋
相続手続きを司法書士に依頼するには?メリットや選び方のポイントも
更新日: 2025 . 02.2
相続コラム はなまる知恵袋
更新日: 2025 . 02.2
相続手続きを司法書士に依頼したいと考えている人は、少なくないでしょう。司法書士に相続手続きを依頼すると、さまざまなメリットがあるため、無理に自力で手続きを行うよりもおすすめです。
一方、相続に関連したすべての業務を司法書士に依頼することはできません。また、司法書士の選び方にもポイントがあるため、依頼前に一定の知識を得ておいたほうが、後々スムーズに行動を起こせます。
本記事では、相続手続きを司法書士に依頼する際のメリットやデメリット、選び方のポイントなどを解説します。事前知識を得て、スピーディーな遺産相続を実現しましょう。
相続手続サポートセンター長
大野 博満
[セブン合同事務所/相続手続サポートセンター広島]
相続手続きで、司法書士に依頼できることはさまざまです。代表的な業務を、以下に記載します。
相続財産管理人とは、相続財産を管理・清算する人です。相続人がいない場合や、全員が相続放棄を行った際に選任します。選任自体は家庭裁判所が行いますが、その前に上記の申立書を作成しなければなりません。
遺産分割協議書とは、遺産を誰がどれだけ相続するかの協議内容をまとめたものです。協議書はトラブル防止の意味合いもありますが、相続税の申請など手続きにも必要であるため、重要な書類です。
相続登記とは、不動産などが遺産に含まれていた場合の、名義変更手続きと捉えてください。従来は任意でしたが、令和6年4月1日より義務化されたため、必須の手続きとなりました。
相続手続きを司法書士に依頼する際かかる費用は、司法書士が提示する「報酬」と、書類の取り寄せなどにかかる「実費」を合わせた額です。
「実費」は、仮に自力で手続きをしたとしても、必ず支払う費用です。そこに手間賃として「報酬」を合算した額を支払います。
司法書士の報酬額には一律の規定がなく、各々が独自に決めるものであるため、一概にいくらとは断言できませんが、見積は出してもらえます。見積から、何にいくらかかるのか確認し、検討すると良いでしょう。
おおまかな目安としては、以下のとおりです。
あくまで目安であり、より高い場合も、安い場合もあります。また、例えば相続登記する不動産が数10件あるなど、作業量が過剰に多い場合は、追加料金が発生するケースも少なくありません。司法書士によっては「遺産総額の〇%」など、遺産額から報酬額を決定するケースもあります。
相続手続きを司法書士に依頼するメリットは、以下の3つです。
特に、相続にかかる手間や負担の軽減は、重要なメリットです。
相続手続きは、慣れていない人にとって煩雑なものです。さらに、期日が設定されている手続きも複数あるため、あまり時間はありません。
「急ぎたいけれど、何をすれば良いのかわからない」という人にとって、司法書士は頼れる味方です。自分達では手続きを完遂できないと判断したら、専門家に早めの依頼をおすすめします。
司法書士からは、中立的な立場の助言がもらえます。
司法書士は法令上、特定の人の代理人にはなれないため、誰かに肩入れしたアドバイスなどもできません。そのため、アドバイスには偏りがなく、フラットな意見を述べてもらえます。ひいては全員に納得感が生まれやすく、スムーズな遺産相続につながります。
手続きの手間を省けるのは、司法書士に依頼する多くの人が期待するメリットでしょう。
遺産相続の手続きは、やるべきことがわかっていても、実行に時間がかかります。書類の取り寄せや作成、手続きなどをミスなく、かつ段取り良くこなすのは、専門家でない限り困難です。司法書士に相続手続きを依頼すれば、書類の取り寄せから手続きまでトータルで行ってくれるため、自分が割く時間を大幅に浮かせられます。
司法書士に相続手続きを依頼することで、相続人の負担を減らせます。
現実として、慣れない人が相続手続きを自力で行うと、本人に大きな負担がかかります。上手く手分けできるならまだしも、実際は特定の相続人ばかりが手続きに追われ、負担が偏っているケースも少なくありません。最終的に、相続人同士のトラブルに発展する可能性もあります。
そこで、司法書士に依頼することで、全員が負担の軽い状態になります。負担の不平等からくる将来的な揉め事も、回避できるでしょう。
相続手続きで頼りになる司法書士ですが、すべての業務を依頼できるわけではありません。以下3つのケースに該当する場合は、それぞれ別の専門家への依頼が必要です。
まずは必要な相続手続きを整理し、司法書士に依頼できるものを明確にしましょう。司法書士に任せられる手続きだけであれば、依頼先は1か所で済みます。しかしそうでない場合は、別途依頼先を探す必要があります。
まずは、相続人同士でトラブルが起きている場合です。
前述しましたが、司法書士ができるのは中立なアドバイスまでです。アドバイスを経てなお揉めている場合、それ以上司法書士ができることはありません。
相続人同士が不仲であったり、対立が明らかな場合は、弁護士に相談してください。弁護士であれば依頼者の代理人となれるため、相続人の代わりに交渉を進めたり、話をまとめられます。
相続財産の総額が基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告が必要です。
しかし、相続税の申告に関しての相談は、司法書士に依頼できません。相続税の申告は税金の問題になるため、税理士に依頼します。
相続税の計算は専門的な知識が必要となるため、自力で行うのは困難です。計算すること自体も煩雑ですが、計算にミスがあると支払うべき相続税額を間違えてしまい、後に大きなトラブルになる可能性もあります。
相続財産額が明らかに基礎控除額を下回っていれば、申告の必要はありません。しかし、基礎控除額を超えていたり、判断が難しかったりする場合は、無理に自力で解決せず、税理士に頼ることをおすすめします。
相続財産の手続きはさまざまであり、中には特定の士業しかこなせない手続きもあります。具体的な分担は、以下の表を参考にしてください。
なお、上記すべての手続きが必須というわけではありません。状況によって、必要な手続きは変化します。まずは、自分に必要な手続きを明確にしましょう。その後上記の表などを参考に、適切な依頼先を探してください。
相続手続きを依頼する司法書士を選ぶ際にも、ポイントがあります。具体的には、以下のとおりです。
安易に選択してしまうと、結局他の司法書士を紹介されるなど2度手間になったり、スムーズに手続きが進まなかったりなどのトラブルになりかねません。
一方で、実際に相続が始まってしまうと、時間との勝負になるため、じっくり選ぶ余裕がなくなるのも事実です。そのため、相続開始の前に選定を済ませ、相談しておくなどの準備をおすすめします。
相続関連業務の経験が豊富かどうかは、重要なポイントです。
そもそも司法書士は、会社登記や債務整理など、相続と無関係の業務も行います。そのため、人によって相続関連業務に対する熟練度合いが異なります。
相続関係業務に慣れていない司法書士でも、依頼自体は可能です。しかし、スピードは遅めになってしまうため、できるだけ相続関連業務に慣れた司法書士を選びましょう。
ほかの士業と連携が取れているかどうかも重要です。
前述した通り、相続関連業務の中には司法書士がこなせないものが存在しています。その場合適切な士業に依頼する必要がありますが、ほかの士業と連携できている司法書士であれば、シームレスに適切な依頼先を紹介してもらえます。
対して紹介がない場合、依頼先は自力で探すほかありません。結果として余計な手間がかかってしまうため、連携先がない司法書士への依頼は避けたほうが良いでしょう。
自分との相性も重要です。
遺産相続はデリケートな問題でもあるため、相性が悪い司法書士では、スムーズに話が進まないリスクがあります。能力的に優れていれば問題ないと考える人もいますが、個人としての相性も大きな影響を及ぼすため、相性を無視するのはおすすめできません。
司法書士への相談は、初回無料の所も多数存在します。それを利用していくつかの司法書士を回り、相性を比べてみると良いでしょう。
相続手続きに困った場合は、専門家がそろったはなまる相続に、ぜひご相談ください。
はなまる相続には司法書士だけでなく、弁護士や税理士など、相続関連業務に携わる各種専門家が在籍しています。そのため、あらゆる手続きをトータルサポートし、お客様の負担を最小限にすることが可能です。
まずは相談だけでも構いません。お気軽にご連絡ください。
相続アドバイザー
大野 博満
Hiromitsu Ono
相続問題こんなお手伝いが可能です
相続手続き丸ごとサポート
はなまる相続のメンバーと連携し、相続人確定や財産調査、しなければならない手続きの洗い出しから預貯金等の現金化など、相続のお手続きをサポートいたします。
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紛争事例処理の経験を活かして、遺言・民事信託などの生前対策から・相続紛争の対応まで相続のあらゆる場面でみなさまをサポートいたします。
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