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相続アドバイザー/事業承継士/宅地建物取引士/2級FP技能士

山口 亜由美

[弁護士法人山下江法律事務所]

遺産分割協議は相続人全員でする、というお話をしました(相続が始まったら⑤遺産分割協議をする)。

例えば、両親に子一人の家庭で父親が亡くなった場合、相続人は母と子なので母子が遺産分割協議をすることになります。
(誰が相続人になるのかは、相続人は誰でいくら相続するのか?をご参照下さい。)

この時、子が未成年であった場合、母と子の間で遺産分割に関し利益が相反する(「利益相反」といいます)ので、子には「特別代理人」が必要になります。

未成年者が法律行為を行うときの法定代理人は親権者なのですが、今回の例のような遺産分割協議の場面ですと、母が独断で子に不利益な協議をまとめることが可能になってしまいます。

特別代理人は家庭裁判所で選任の申立てをおこないます。

申立先は子の住所地の家庭裁判所で、申立者は親権者もしくは利害関係人になります。

申立書の他に必要な添付書類に未成年者の戸籍謄本、親権者の戸籍謄本、特別代理人候補者の住民票または戸籍付票、利益相反に関する資料(この場合、遺産分割協議書案)があります。特別代理人の候補者は、祖父母や叔父叔母などの近親者でも良いですし、弁護士などの専門家でも構いません。

特別代理人は、未成年者の利益を護るための制度ですので、申立に添付された遺産分割協議案が未成年者にとって不利益な内容(協議書の相続分が法定相続分を下回るなど)で認められることは難しいです。

このため、不動産や車などが未成年との共有名義にならざるを得ないケースが出てきたりしますが、共有名義となった共有物は処分の際に共有者の同意が必要になるなど、ここでも利益相反する法律行為が生じます。

未成年の子がいるということは、ご自身もまだ若く「遺言書を書くなんて未だ早い」と思われるかもしれませんが、遺言書があると遺産分割協議の手間が省けるだけで無く、特別代理人の選任や共有になった財産のその後の処分にかかる手間を考えるとメリットは多いと言えます。

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