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相続手続きにかかる費用はいくら?専門家ごとの特徴や相場を知ろう


更新日: 2024 . 12.4

遺産を相続する際は、相続手続きがつきものです。しかし、相続手続きには手数料などの費用が発生するケースがあります。さらに、専門家に依頼する場合はトータルでかかる費用が高くなってしまいます。

節約だけを考えるのであれば、すべての手続きを自力でこなすのがもっとも安上がりです。しかし、実際問題として、慣れない人が遺産相続の手続きを行うのは手間がかかります。そのため、費用対効果のことも踏まえたうえでの判断がおすすめです。

本記事では、相続手続きにかかる費用について解説します。相続手続きをスムーズで納得感のあるものにするため、何にいくらかかるのかをしっかり掴み、払う価値があるかないかの判断を正確にできるようになってください。

担 当
大野 博満のプロフィール写真

「相続対策」「相続手続き」の専門家です


相続手続サポートセンター長

大野 博満

[セブン合同事務所/相続手続サポートセンター広島]

自分で相続手続きをする場合にかかる費用

自分で相続手続きをする場合、具体的にかかる費用は以下のとおりです。

  • 書類取得費
  • 登録免許税
  • 車庫証明取得費

ただし、登録免許税がかかるのは不動産を相続した時、車庫証明取得費がかかるのは車を相続した時のみです。一般的にかかるのは、一番上の書類取得費です。

遺産相続一件につきトータルでかかる費用は、概算でおよそ数千~3万円(登録免許税は不動産の評価額により別途算出)程度になります。しかし、専門家に頼むとより必要費用が上がってしまうため、手段としてはもっとも安上がりな方法です。

書類取得費

書類取得費とは、相続手続きに必要な書類を取得するのにかかる費用のことです。代表的な必要書類と書類ごとの費用は、以下のとおりです。

書類取得費用

1通1通は安く感じるかもしれませんが、戸籍謄本などは状況によって複数通必要であり、それに伴って取得費用も上がっていくことを覚えておきましょう。また、郵送を使って手続きを済ませる場合、郵送費用が上乗せされる点もポイントです。

ただし、上記の追加費用を差し引いたとしても、自分で手続きを行うのがもっとも安上がりな方法であることに変わりはありません。

登録免許税

登録免許税とは、相続登記を行い不動産の名義を変更する際に必要となる税金です。具体的な金額は、不動産の評価額に各種税率を乗じた金額になります。

税率は条件によって変化するため、以下を参考に自分のケースに当てはめて税額を計算してください。

登録免許税率

税率0%の欄に記載されている、現在の名義が被相続人になっていないケースについては、従来の法制度に関係があります。相続登記は現在義務化されていますが、令和6年4月1日以前は任意の手続きでした。そのため、状況によっては被相続人が名義を自分に変更しないまま故人になってしまった、というケースが起こります。そのような場合、現在の相続人に名義変更する前に、故人である被相続人への名義変更を行う必要がありますが、この手続きに対して税はかかりません。被相続人から相続人への名義変更は税がかかるため、注意してください。

税率2%の欄に記載のある死因贈与とは、贈与者の死亡が贈与発生の条件となる贈与です。例えば、被贈与者が生前「自分が死んだらこの家をあなたにあげよう」などと取り決めしていた場合などに適用されます。

車庫証明取得費

車庫証明取得費とは、車を相続した際にかかる費用です。車を相続すると他にも費用がかかるケースがあります。代表的な手続きとそれぞれの費用は以下のとおりです。

  • 移転登録手数料:500円
  • 車庫証明取得費用:2500〜2900円
  • ナンバープレート代:1500円程度
  • 名義変更代行料:5000円程度

移転登録手数料と車庫証明取得費用は必ずかかるため、トータルで3,000円は絶対に必要と考えておきましょう。なお、車庫証明取得費用は地域によって価格差があるため、実際の価格は自分の地域のものを調べてください。

ナンバープレート代と名義変更代行料は、必須ではありません。ナンバープレート代はナンバー変更を行わなければ発生しませんし、名義変更代行料も自分で手続きを行う場合は不要です。逆に、ナンバー変更や依頼による名義変更を考えている場合は、上記の費用も考慮に入れておきましょう。

相続手続きをスムーズに行うには遺言書の作成が安心

相続手続きをスムーズに行うには、遺言書の作成がおすすめです。遺言書は、遺産相続において強い効力を持っています。誰が何を相続するかの指針となるだけでなく、原則遺言書の指示は覆らないため、相続の内容に関して揉める可能性が低くなります。

遺言書には自分で作成する自筆証書遺言と、公証人に作成してもらう公正証書遺言があります。それぞれのメリットとデメリット、費用は以下のとおりです。

遺言書の種類とメリット・デメリット

自筆証書遺言の保管制度とは、自力で作成した遺言書を法務局に預け、保管してもらえるという制度です。利用するかどうかは任意ですが、簡易チェックや相続人への通知などメリットは大きいため、おすすめです。

公正証書遺言の手数料は財産の額により変動するため、一概にいくらとは断言できません。一般的には、高くても数万円程度で納まるケースが多いです。しかし、財産額が3億円を超えると手数料が10万円以上になる可能性が高いため、自分がその状況に当てはまる場合は注意してください。

相続手続きが複雑な場合は専門家に依頼したほうがよい

相続手続きが複雑な場合は、専門家に依頼することをおすすめします。遺産相続は期日がある手続きも多くスピーディーさが求められるため、自力では難しいと判断したら、すぐ依頼する方向で検討してください。

具体的には、以下に当てはまる場合に依頼をおすすめします。

  • 仕事が忙しく、自分で相続手続きを完遂する暇時間がない
  • 高齢などの理由から、相続手続きのやり方がわからない
  • 遺産分割協議で揉めており、解決する見通しが立たない
  • 複雑そうな一部の手続きだけ、専門家にお願いしたい
  • 親族と折り合いが悪く、関わり合いになりたくない
  • 相続の内容について判断を迷っており、プロにアドバイスを仰ぎたい
  • 相続税の計算ができそうにない

少しでも「自分に当てはまる」と感じた場合は、専門家への依頼をおすすめします。

相続手続きに関して対応できる業務は専門家ごとに異なる

相続手続きに関して対応できる業務は、専門家ごとに異なります。具体的に誰に何を依頼できるかは、以下のとおりです。

士業の対応可能業務

表を見ればわかる通り、すべての業務を一括で請け負える士業は存在していません。そのため一般的には、複数の専門家に対し、頼みたい業務を個別に依頼していくことになります。

相続手続きを各専門家に依頼する場合の費用相場

相続手続きを各専門家に依頼する場合の費用相場は、それぞれ異なります。本記事では以下の士業に対し、具体的に何を依頼した際にどれくらいかかるのかを解説します。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 行政書士

依頼業務が多いほど、手間は省けますが費用もかさんできます。相場をきちんと調べておき、無理なくできる手続きは自力で行うのが費用を抑えるポイントです。

ただし、費用を抑えようとするあまり相続がスムーズに進まなければ、本末転倒です。多少費用がかさんだとしても、手に負えないと感じた業務は任せてしまうのが良いでしょう。

弁護士に依頼する場合

弁護士は遺産相続関連において、もっとも請け負える業務の種類が多い士業です。相続登記は司法書士がやる場合が圧倒的に多い程度であり、他のことであればほぼすべて依頼できると言っても過言ではありません。そのため一概に〇万円と断言するのは難しく、具体的に依頼する業務によって費用が変化します。

その中でも弁護士に依頼する代表的な業務は、遺産分割協議など相続人同士のやり取りが発生する手続きを、代理人として進めてもらうことです。これは、4つの士業の中で代理人として動けるのが弁護士のみであるためです。

費用相場は以下のとおりです。

  • 着手金:20~60万円
  • 報酬金:依頼者が得た利益の4~20%
  • 遺産分割協議書などの書類作成:10万円程度
  • その他業務:依頼による

一般的には、相続人同士のやり取りをしたくないときの依頼先が弁護士と覚えておくと良いでしょう。特に相続内容で揉めてしまった場合は、早めに収束させるためにも弁護士への依頼がおすすめです。

司法書士に依頼する場合

司法書士は、法律関係のことを依頼できる士業です。弁護士と異なり、遺産分割協議など本人の代理人として振る舞うことはできませんが、一方で相続登記をこなせます。相続財産に不動産がある場合は、司法書士に依頼しましょう。

費用相場は、業務1件につき5~10万円程度です。ただし、相続手続きを丸ごと依頼したい場合は、トータルで20~50万程度かかるため、覚えておきましょう。

税理士に依頼する場合

税理士は、4つの士業の中で、唯一相続税の申告を依頼できる点が大きな特徴です。そのため、相続税の申告が必要になった場合は、税理士を頼りましょう

特に、遺産相続に詳しい税理士であれば、節税の方法に対するアドバイスも望めます。よって、遺産が多額であり、節税したい場合も税理士に相談するのがおすすめです。

費用相場は、およそ20~50万円程度です。ただし、事務所ごとに料金形態が異なるため、必ず上記の相場に当てはまっているとは限りません。契約前に、必ず見積を確認しておいてください。

行政書士に依頼する場合

行政書士は、文書作成の伴う業務を得意としています。相続人調査や相続財産調査、不動産を除く財産の名義変更を依頼したい場合は、行政書士に頼んでください。

費用相場は以下のとおりです。

  • 相続人調査、相続財産調査:5~6万円程度
  • 遺産分割協議書の作成:3~5万程度
  • 名義変更:2~5万円程度

他の士業に比べ、やや価格設定が低めである点も行政書士の特徴です。

相続税の手続きは相続開始から10か月以内に行う

繰り返しになりますが、遺産相続は期日が決まっている手続きが複数あります。特に重要な手続きは、以下のとおりです。

  • 相続税の申告(遺産相続を行うと決めた場合):相続開始より10か月
  • 相続放棄(遺産を相続しないと決めた場合):相続開始より3か月
  • 相続登記(不動産を相続する場合):相続開始より3年

上記は特に重要な手続きの一例であり、すべてではありません。他にも期日のある手続きは多数あるため、ゆったり構えている時間はないと心得ておきましょう。

スピーディーに相続を終わらせるためにも、専門家への依頼はおすすめです。費用がかかるとしても、遺産相続そのものをきちんと終えることが最優先です。

相続手続きにかかる費用についてははなまる相続に相談を

相続手続きにかかる費用については、はなまる相続にご相談ください。

相続手続きを依頼するには、まず自分の状況において、どのような手続きをする必要があり依頼するといくらになるのかを試算する必要があります。

一般的にはそれぞれの士業を尋ねて試算してもらう必要がありますが、はなまる相続では4つの士業がスタッフとして揃っているため、各業務の費用をトータルで試算できます。また、実際の手続き業務においてもトータルで任せていただけるため、それぞれの士業を個別に回る手間が省けます。

まずは相談だけでも構いません。お気軽にご連絡ください。

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