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相続人が海外に住んでいる場合の相続手続き

~印鑑証明書がない!?~

 

日本での相続手続きに実印と印鑑証明書は欠かせないものです。遺産分割協議書にも、凍結された銀行口座の解約や名義変更、不動産の相続登記にも実印の押印と印鑑証明書が求められます。

印鑑証明書は住所登録のあるところの区・市町村役場で発行してもらえます。ところが相続人の中に海外に住んでいて、日本に住所がない方いる場合、一体どうすればよいのでしょうか。印鑑登録という制度はとても便利で、日本に住んでいれば簡単に実印を登録して、証明書を発行してもらえます。しかし実はこの制度、世界でもごく限られた国にしか存在しないのです。この場合、署名が実印の代わりとなり、その証明方法はいくつかあります。

① 在外日本領事に、本人が署名した旨を証明してもらう方法。この方法はかなり確実ですが、日本領事官が相続人の住んでいる場所から遠い場合は大きな負担になります。広大な国土である場合、日帰りでは難しいこともあるでしょう。そして日本領事の証明をもらえるのは日本国籍所有者に限ります。

② 外国公証人に証明してもらう方法。アメリカではnotary public, オーストラリアなどではjustice of peaceという、事実を証明する権限を与えたれた人に署名を証明してもらうことができます。公証人は数も多いので比較的近所で取得することができるでしょう。ただし、その国の言語(英語でいい場合もあります)で書類を作成する必要があり、日本語の翻訳を添えなければなりません。送られてきた証明書を見ると、日本での手続きに必要な項目が抜けていることもありますので注意が必要です。

③ 日本に帰国した際に、日本の公証人に署名を証明してもらう方法。これは日本語の書類でOKですが、日本に帰って来なければなりませんね。

 

行政書士 本橋敦子